「衣擦れの音」と言うとなにか官能小説めいた淫靡な響きを感じますが、夜の公民館で私の耳が捉えたのはそんな音でした。
というか「夜の公民館」って響きもいいですね、私好みです。
さて、うっかり美女でも迷い込んだかと公民館を見回った私が見つけたのがこちら、遠目にも分かる妖しげな雰囲気、艶めかしい身体から伸びる細い手足、ヤモリさん(たぶんメス)です。
そして近づいて分かった衝撃の事実、なんとヤモリさん脱皮中でした。
観て下さい、この脱げきらず、かと言ってその美しさを覆い隠しもしない絶妙な脱皮具合。
腰から尻尾にかけての大胆かつ優雅な剥け方なんて、男性にはたまらないものがありますよね。
頭の皮もまるで大きなリボンのようにめくれて何ともチャーミング。
視線に気づいたのかすぐ隠れてしまいましたが、いやぁ、いいものを見ました。眼福眼福。
<写真・文/加藤>