はそり概要

はそり釜(はそりがま)とは、鉄製の大型丸底平釜の一種である。
端が反り返った陣笠「端反笠(はそりがさ)」に形が似ていることからこの名が付いた。
基本的に東海地方でのみ使用される言葉であり、他の地方では同じ形でも「平釜」と呼ぶことが多い。
はそり鍋はそり、あるいはハソリとも呼ぶ。

歴史

その起源ははっきりとしていないが、戦国時代に雑兵が鉄製の陣笠(じんがさ)をひっくり返して釜に使っていたことがはそり釜の起源とされている。[要出典]
作りが単純で頑丈、そして持ち運びがしやすいことから、戦陣用として利用されてきた歴史を持つ。

現代では、はそり釜ほど大型の釜の出番はイベントや炊き出しなど大変限られており、平釜自体が日頃の生活の中では目にしない珍しい存在となっている。[1]
そのため「はそり釜」という名称の知名度も年々下がっており、名前を知っているか東海地方の30歳以下に対するアンケートを行ったところ、知名度が0%だったというデータもある。[2]

使い方

非常に大型であり、取っ手などは何もついていないため、専用の竈を使って加熱することが多い。
断熱素材の部分が存在せず、また、丸底のため平地では不安定となるので、竈の上から動かさないことが望ましい。

直径100cmの物であれば、汁物なら180l、米なら3升まで同時に調理することが可能である。

脚注

1.南陵公民館には昔から置いてあるため、スタッフにとっては馴染み深い物である。
2.南陵市民センターのスタッフで調査。